インターンシップ成功のカギ

この海外への進出は未知数だが、この実験を通してさまざまなことを学ぶに違いないのである。 新しい試みはいつも試行錯誤に満ちている。
そのことが新しい経験の蓄積になるのだ。 白山の伏流水を使い、最高の豆を仕入れ、生産のラインを自社で設計し、工程管理を徹底しているこの会社の品物は、返品なし、手形なし、そしてクレームもないそうだ。

社員を大切にしない会社社員と会社との関係について、安田蒲鉾のYT社長とKB社長の話を聞いていると、私は福沢諭吉の『福翁自伝』(岩波文庫)にある「主従の間も売言葉に買言葉」の次のような文章を思い出す。 「藩の方から数代御奉公を仰せ付けられて有りがたいしあわせであろう、恩にきせれば、失敬ながらこちらにも言葉がある。
数代家来になって正直に勤めたぞ、そんなに恩をきせなくてもよろしかろう、といわねばならぬ」「これに反して藩の方から手前たちのような家族が数代神妙に奉公してくれたからこの藩も行立つとこういえば、こちらのほうもまた言葉を改め、数代御恩を蒙ってありかたい仕合せに存じ奉ります。 累代の間には役に立たぬ子どももありました。
病人もありました。 それにも拘らず下さるだけの家禄はちゃんとくださって、家族一同安楽に生活しました。
主恩海よりも深し山よりも高しと、こちらも小さくなってお礼を申し上げる」江戸時代の藩主と家臣の関係は主従であり、現代の会社と社員の関係は基本的に「労働法」によって担保されているので、この「売言葉と買言葉」の関係に置き換えることはできない。 しかし雇用する側と雇用される側との間にはこのような側面がある。
小さな会社は経営者の全人格が反映されやすい。 安田蒲鉾と幸伸食品には、好循環というべきものがあって、食堂でみんなと一緒に昼飯をいただいているとき、社内の雰囲気のよさがよく伝わってくるのだった。
だが安田蒲鉾や幸伸食品のもつアットホームな良さが、どんな職種でも成り立つかというとそんなことはない。 例えば同じ食品関連業種でも、ロストジェネレーション本当に社員が幸せな会社(1990年代中頃から2000年代前半に社会に踏み出した世代)の、学歴エリートたちの世界を描いた稲泉連の『仕事漂流』(プレジデント社、2010年)を読むと、凄まじい職場風景が広がっている。
この作品に、洋菓子メーカーに就職し、百貨店の食品売り場に配属された女性のエピソードが紹介されている。 出勤は朝の8時半、退社は夜の8時という12時間勤務。

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